ベルタは小さなころからおしっこが近い。おかげでベルタのパパとママは、すっかり街道沿いのレストラン通になった。だってドライブするときは必ず、道の途中で2回か3回止まらなければならなかったからね。ベルタは絶対白状しないけど、人目がないときは、そう、こっそり小指で鼻をほじってる。そのほうが洗練されてると信じてるからだ。丸めた鼻くそを食べないだけまだましだが、そのかなり気になるシロモノをどうするかも、ベルタは白状しない。編集者フアンの、ちょっとどうなんだろうと思うくらい熱心な提案を受けてつくったのが本書で、彼とは別の本、『Cambio climático(気候変動)』でも一緒に仕事をした。
ベゴーニャ・オロはサラゴサ生まれで現在はマドリード在住。児童・YA文学の編集者を数年経験後、現在は執筆と翻訳を手がける。彼女の執筆した教科書で、多くの子どもたちが読書の世界に足を踏み入れた。『Pomelo y limón(グレープフルーツとレモン)』でグラン・アングラル賞(2011)、アチェ賞(2012)を受賞。2014年ユーロスターズ旅行小説賞、アルベルト・ヒメネス・シューマッハとの共著『Tú tan cáncer y yo tan virgo(あなたはこんなにガンで、わたしはこんなに乙女)』(2018)でハエン賞(YA小説部門)を受賞。
ヘルバシオ・ポサダスはモンテビデオ(ウルグアイ)に生まれ、スペイン、ロシア、イギリスで育つ。大手広告代理店でキャリアを積むが、50歳になったとき広告制作をやめることを決心し、作家・教師として文学に専念する。現在マドリード在住。ジャーナリストおよび小説家として有名で、本書は初めてのヤングアダルト作品。
1972年、バダホス生まれ。2005年にセビーリャに引っ越し、現在も同地に住んでいる。作家活動と並行して、1996年からコピーライターの仕事をしている。Intemperie(悪天候)で、世界の文壇における最もまばゆい新人のひとりとして評価される。この小説は、スペインでの出版以前から既に、海外の一流出版社各社で熱狂的な好評を博した。13か国で出版予定。