『ドン・キホーテ』後篇が出版されて400周年を迎える今年は、日本におけるスペイン語文学界の第一人者のおひとりで、スペインの知識人たちも感嘆する‘洗練された’スペイン語を操る清水憲男先生に、『ドン・キホーテ』の魅力についてご寄稿いただきました。
『ドン・キホーテ』完結400周年への思い
最近、スペイン国営テレビからインタビューを申し込まれた。インタビューを好まないこともあってお断りしたが、『ドン・キホーテ』後篇について是非と食い下がられて根負けした。質問は予想の域を出るものではなかった。たとえば「日本で『ドン・キホーテ』はどのように解釈され、どのようなインパクトを与えましたか?」私は少々意地悪く、だいたい次のような答えを返した。
2011年2月21日、丸の内のスペイン・レストランで、作家の池澤夏樹氏にスペインや、スペイン語圏の書籍についてお話を伺いました。前夜、オーチャードホールでマリア・パヘス舞踊団のフラメンコを鑑賞されたというお話で盛り上がった後、早速本題に入りました。
Q:スペインにはいらしたことありますか?