遠くのある町では、マーガレット畑や雲のない空よりも大きな不思議がある。それは、昼も夜も、夏も冬も、一年365日、うるう年には366日、ルーカスの顔に浮かんでいるほほえみだ。世界中から科学者たちがやってきて調べるが、そのほほえみの理由がわからない。ルーカス本人にもわからない。彼はただ日々を楽しんでいるだけなのだ。でも一日の中で、彼のほほえみが特別な輝きを放つときがある。クマの鳴き声のようにぶつぶつしゃべる気難しい老人が、住んでいる青い家から出てくるときだ。ルーカスが老人と共に過ごす時間、ふたりの間に醸し出される幸せな、あたたかい空気は、気難しい老人の心にまでたどり着けるルーカスの能力を示している。面白さと愛を組み合わせた新鮮なストーリーは読者に、人生における大切なことを考えさせてくれる。